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 「ではこれより、企画会議を始める」
 「よくわかんないうちに集められたんだけど、企画会議って結局何の企画なの?」
 「む……私たちは内容をちゃんと聞いていたが、そちらは聞いていないのか」
 「あれ?」
  「うちのメンバーには、考えるのが無駄なのと、悪巧みしかしないのがいるからな。
 その二人には伝える意味がない」
 「いきなり酷いこと言われた……」
 「極めて心外」
 「結局、資料を作らせられた俺だけが、論説部内で知らされた人間ってわけか。
 でも、働かされるのは嬉しくないな」
 「へぇ、歩武ってそういうこともするのか」
 「歩武の主な役目は雑用だ」
 「雑用……」
 「ハハ……信じられるか? 俺、主人公だったんだぜ?
  「だ、大丈夫だって! ハブられるよりはいいに決まってる!
 昔の俺だったら、絶対こういう集まりに呼ばれなかったぞ!!」
 「男二人が哀しい告白をしてるわ……」
 「さて、歩武が作ってくれたという資料はこれだな」
 「はい、コロナ。ここをこうして折ったら、紙飛行機の完成です」
 わーい♪ えいっ、飛んだ飛んだ~!!」
 「俺の努力の結晶が飛ばされてる!?」
 「ひでぇ……」
 「こら、コロナ。その資料は折り紙じゃないぞ。ちゃんと見るんだ」
 「あぅ……怒られちゃった」
 「ミュリアルも、恥ずかしいからよそで変なことしないでくれよ」
 「でも、その恥ずかしさがじきに快感に――」
 「なるか!」
 「ふぅ……たまには私も、保護者らしいことをしようと思っただけなのですが」
 「頼むから、別の機会にしてくれ」
 「あ、それと、少しだけトウカ様の困った顔を見たいという乙女心もありました」
 「なんでだろう。絶対にそっちの方が主な理由だった気がする……」
 「統果も大変だな……」
 「ん……そういえば、今日はやけに御木津が大人しいな」
 「えーと、藍なら、なんかショックを受けた顔で、さっきから資料を見てるけど」
 「ショックだと?」
 「おかしい……今度こそ蒼穹のアイの企画会議だったはずなのに!?
 「なにやら、腑に落ちない様子だが……」
 「……いつもの病気だ。放っておいてやってくれ」
 「じゃあ、とりあえず本題にいこうぜ。なんかやたらと時間がかかった気がするけど」
 「天空ジャーナルっていうので、俺たちの出る『銀の刻のコロナ』を特集してくれるんだよな?」
 「そうだ。今回は大人数になるから、これまでの適当な放送と違って、
 きちんと企画会議をしようと思ったわけだが……」
 「会議の段階で収拾がつかなくなる気がするのは、私の考えすぎだろうか」
 「はぁ……よく考えたら、出演者全員で会議を開く必要はなかったな。
 具体的には、弓那と御木津、コロナとミュリアルには、さして用はない」
 「ハッ! 会議をいいように動かして、自分の出番だけを増やすつもり!?」
 「事件は会議室で起きようとしているのね!!」
 「あの、私もそちら側なのですか?」
 「ころな、トーカとトキノと一緒がいい!!」
 「案の定、ひどいな……」
  「歩武は黙ってて!!
 あたしたちは今、権力者の横暴で出番の減少を……強いられているのよ!!」
 「誰がそんなものを強いた、馬鹿者!!」
 「……仲悪いのかな、この人たち」
 「う、うむ……」
 「ケンカはだめなのにねー?」
 「ものすごく常識人な視点でダメ出しされてるーー!?」
 「どうか、争いはやめてください……この私の美しさに免じて
 「ミュリアルは混乱を拡大させるなよ!!」
 「ふふ……やきもちを妬かなくても、私の美貌はすべて、トウカ様のためのものですよ?
 「くっ! いつもながら、ミュリアルとの会話は難易度が高い……!!」
 「輝光翼戦記って、主役を張ると理不尽な苦労ばかり背負わされるような気がする……」
 「普通の苦労ならいいんだけどなー。英雄たるもの、苦難は付きものだ!
 「ポジティブだなー。俺はそんな面倒なのご免だけど」
 「そこよ!」
 「ん?」
 「大体ね、歩武にはやる気が足りないのよ
 「そう言う弓那の半分はやる気、残り半分は空回りで構成されてる」
  「ほっといてよ!
 い、いつか……いつかちゃんと努力が報われるんだから!!」
 「そうだな。
 諦めなければ、努力は必ず報われる。
 ひたむきで、信念を曲げない者を、世界は見捨てたりしない
 「あ……」
 「ん、どうした?」
  「初めてよ……初めて、あたしの方針を認めてもらえたわ!
 決めた、あたし論説部やめて、龍護寺の子になる!!
 は……? い、言ってることがよくわからないのだが」
 「……まぁ、あれも病気のようなものだ。あまり気にしないでくれ」
   
  
 「き、気を取り直して、企画会議といこうぜ」
 「コーナーとかはどうするの?」
 「今回は従来のコーナーは無しだな」
 「あー、やっぱり」
 「へぇ、コーナーか。
 自主製作のテレビ番組みたいなのって聞いてたけど、結構本格的なんだな」
 「そりゃもう色々やったわよ」
 「ほぅ」
 「ゲームの体験版やったり、知らない内に洗脳とかされてたり」
 「なんだそれ……?」
 「私は100kmマラソンを達成した」
 「いや、達成できてなかっただろ」
 「歩武は幻を見ただけ。私はきちんと走った気がしないでもない
 「幻? いや、でも……」
 「記憶が自分に都合良く書き換えられているようだな」
 「まぁ、そういう自分勝手な方は困りますね」
 「…………」
 「あれ、びっくりしたような顔してどうしたの、トキノ?」
 「……いや、世の中、驚くべきことはまだ多いな」
 「自覚無いのかボケてるのか、全然わからねぇ……」
 「ふふふふ~」
 「さて、今までのコーナーが使えない分、新しく考えてきた。
 名付けて、『キーパーソンは誰だ?』
 「んーと、それってどういうのなの?」
 「ここにいる全員は銀の刻のコロナに出演が決定している。
 その中で、物語のキーパーソンになるのは誰なのかを、全員で予想するというものだ」
 「ふむふむ、なるほどね……」
 「うわー、そういうのもテレビ番組っぽいな。まるで、芸能人になったような気分だ」
 「しかし、ぶっつけ本番では不安もあるが」
 「そうか。ならば、今から試しにやってみるとしようか」
 「え、今やってもいいの?」
 「問題ない。それを下敷きにして台本を作るんだ。本番では、その台本通りに話せばいい」
 「台本かー。ますます本格的だな!」
 「ちなみに、その台本は歩武が作る」
 「そうなるよなー。はぁ、セットも作らなきゃいけないし、仕事が山積みだ……
 「お、俺も手伝うから……」
 「ありがとな……持つべきものは、やっぱり同性の仲間だな」
 「仲間……仲間……仲間……」
 「ん、どうしたんだ?」
 「い、いや……ぐすっ、いいもんだよな、仲間って!!
 「泣くほど嬉しかったのか!?」
 「まぁ、統果にも事情があってな……」
 「そう、なのか?」
 「では、早速始めましょう」
 「はいはーい。じゃあ、みんなにフリップ配るわね」
 「そしてすかさず、シンキングタイム、スタート!!」
   
  
 「ところで、きーぱーそんってなーに?」
 「え……そ、それは、えーと……そう、なんかすごい人よ!
 「おー」
 「正しい答えを教えるべきだろうか……」
 「まぁ、これも番組的には美味しい反応というものだろう」
   
 「みゃー……書けたー!」
 「ばっちり」
 「私も書いた」
 「ふむ、全員書き終えたな。では、一斉に出すぞ……それ」
   
 『歩武』
 『翠下弓那(はぁと)』
 『全宇宙最大の人気者、御木津藍』
 『雲母』
 『刻乃さん』
 『トーカ!』
 『コロナ』
 『美の女神(ミュリアル)』
   
   
   「…………………………」
   
   
 「なんというか……偏ったな
 「まったく、お前たちは揃いも揃って自分の名前ばかり……」
  「いやだって、前作主人公だし?
 こんなに面倒なことやらされてるし?」
 「ほら、あたしって輝光翼だって持ってるじゃない」
 「私以外に選択肢はない」
 「そ、それに、雲母だって自分の名前じゃない!
 「別世界の者が邂逅するためには私の力が必要だ。
 となれば、キーパーソンなのは当然だろう!」
 「あれ、またケンカしてるの?」
 「う、うーん……」
 「彼らは、色々と難しい関係のようだな」
 「ふふ……心洗われる光景ですね
 「それはない」
 「ハッ! な、なんだか呆れられてる予感!」
 「そりゃまぁなぁ……」
 「こ、これは違うのよ……そう、番組的に面白くするためにね?」
 「こほん……それより、統果たちは自分の名前ではないのだな
 「ああ。
 俺の場合はほら、やっぱり刻乃さんが龍護寺のリーダーだからさ。個人的に尊敬もしてるし」
 「そ、そんな風に言われると照れるな……」
 「…………尊敬、だってさ」
 「…………うん」
 「そこの二人、なにが言いたい?」
 「な、なんでもないわっ!」
  「ころなはね! すごい人は、やっぱりトーカだと思う!
 だってトーカだもん!!」
 「すごい信頼感……」
 「んー、まぁ、コロナについてはなんか刷り込みみたいな気がしないでもないけど……この信頼には応えたいよな」
 「…………爽やかだなー、向こう」
 「…………そうね……向こうはね」
 「だから、何が言いたい」
 「いいよ……何か言うと、虚しくなるから……」
 「…………」
 「私の場合は、一番単純だ。タイトルにコロナの名前があるし、実際に一番強い力を持っている。
 それに、私や統果が愛情を持って接してきたんだ。
 だからぜひともキーパーソンになって欲しいという願いも込めてある」
 「…………愛、情?
 「…………遠い昔、どこかで聞いたことがあるわ
  「当てつけもいい加減にしろ!
 そもそも愛情なら、少し前までバカップルだったお前たちが売るほど持ってただろう!!」
 「え、バカップル……歩武と弓那が!?」
 「あははははははは……」
 「フフ、周りが見えなくなることって、誰にでもあるわよね」
 「弓那は見えていることの方が少ないだろうが!」
 「え、あ、えーと……こうしてみると、俺たちと統果たちって結構違うよな。
 なんか、絆が強そうっていうか」
 「あれ、でもそんな中、自分の名前を書いた人もいたような……」
 「なにか?(にこにこ)
 「……ミュリアルからだけは、こっち側と同じ匂いを感じる」
 「ミュリアルについては……まぁ、その……うん……」
 「あらあら、なんだか諦められたような気がします」
 「理由は是非、自分で理解して欲しい」
 「皆目、見当もつきませんね」
 「……そっか。うん、予想はしてた
 「まぁ、その、がんばれ。ちなみに、こっちはそういうのが3倍だ
 「歩武こそがんばれ」
 「……うん」
 「さて、大分長くなってしまったな。
 放送は、今のキーパーソンのコーナーと、フリートークで構成するとしよう」
 「了解。
 それが決まったところで――」
 「ん?」
  「登場人物を減らして、私の出番を確保する!
 そしてあわよくば、銀の刻のコロナを乗っ取って蒼穹のアイに!!
  「なっ!?
 いきなり銃を取り出して乱射を!!」
  「狙われてる!
 ……のは、私たちでなく、無差別か!」
 「ふふ……誰でもいい。とにかく数を減らせば、出番は私のもの
 「やめろ、馬鹿者!!」
 「そういうことなら負けられません。
 コロナ、プラズマブレス、斉射三連です!!」
 「みゃーーっ!!」
 「対抗するなよ!!」
  「ちょっ!
 な、なんでこうなるのーーー!!」
 「俺の平穏はどこにあるんだーーー!!」
 「ええい、早く御木津を取り押さえるぞ!!」
 「…………争いは何も生まないって本当だったんだな」
 「やれやれ……私たちもコロナを止めるとするか」
 「その後で、ミュリアルは説教だな」
   
  
   大爆発。そして、もうもうと立ちこめる土煙。
  その後、天空ジャーナル特別版の収録が行われることはなかったという。
  めでたし、めでたし?


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