弓那 「くぅー、りすっ、まーすっがっ、らんらんらんらん……
 よしっ、ツリーの飾り付け完了よ!」
那由他 「ちょっとあなた、どこが完了ですの?
 その星もこのリースも、斜めになっているでしょう。
 それに電球が偏りすぎていてみっともないですわ」
弓那 「い、いいのよこれで! ちょっとくらい曲がってる方が、
 無邪気な感じでいいじゃない!」
那由他 「個性を出す以前に、ちゃんとした様式美というものを……
 ほら、黒河もちゃんと彼女を指導なさい。
 このままでは美しいパーティになりませんわよ」
雲母 「…………」
那由他 「……黒河? どうしましたの?」
雲母 「電話が繋がらんな。今日は抜け駆け禁止のクリスマスパーティと
 言っておいたはずだが……青いのはどこへ行ったんだ?」
弓那 「藍? 秘密の用事があるからって、出かけて行ったわよ」
雲母 「あのバカは何をしてるんだ!
 まさか、歩武にちょっかいを出してるんじゃないだろうな」
那由他 「そ、それは厳罰ものですわ! 今すぐ探しに行きますわよ!」
歩武 「みんなおつかれー。ケーキ買ってきたぞ」
弓那 「あれ、歩武が帰ってきたわよ?」
歩武 「ん、どうしたんだ?」
雲母 「なんだ、歩武は無事だったのか?
 ならあいつは、一体どこに……」





なおた 「いらっしゃい、ってナナカか」
ナナカ 「……あれ、彼女は?」
なおた 「れーこなら、さっきメールで呼び出されてたぞ。
確か、守沢さんからだったと思う」
ナナカ 「クリスマスイブなのに?
 今日はキミと2人で過ごすと思っていたけど……」
ファソ 「ぷぷー、残念ですねぇ。今日のなおたさんは、朝までファソと一緒に
 配管工のパーティゲームで盛り上がるんです!!」
なおた 「こいつと対戦ゲームしたくないんだけどな……」
ナナカ 「…………」
ファソ 「な、なんですか。睨まれたってこのポジションは渡さんですよ!」
シド 「ナナカ、たとえ羨ましくても、ここは我慢してください。
 自分たちのやるべきことを忘れてはいけませんよ」
ナナカ 「う、羨ましいわけじゃ……
 ……それじゃ、ボクはもう行くから」
なおた 「ナナカは、用事あるのか?」
ナナカ 「……サンタクロースのバイト。
 それが終わったら特価品のケーキをもらいに行く」
なおた 「あ、あぁ……強く生きろよ……」





若葉 「うーん、さすがに降りそうな天気じゃないわね。
ホワイトクリスマス、期待してたんだけど……」
桃花 「家の中にいるなら、別に関係ないです。
 それよりも、ピザの配達が遅れる方が心配、です」
若葉 「あら、それじゃダメよ。風情が足りないわ」
桃花 「どんな風情ですか」
若葉 「ここはやっぱり、雪が降って電車が止まって、
 わたしも桃花ちゃんも家に帰れなくなっちゃってね……」
桃花 「今日はこのまま先輩の家に泊まっていく、です」
光彦 「ちょ、ちょっと2人とも?
 いきなりそんなこと言われても困るからな?」
シュナイダー 「よかったねぇ光彦。
 今夜はシュナイダー、光彦のこと寝かさないよぉ」
光彦 「しらねーよ! どう間違ってもお前だけはないからな!」
桃花 「それで、天迫先輩と白鳥先輩は、どうしてるんです?」
若葉 「そういえば、遅いわねぇ。
 道に迷ってるのかしら」
光彦 「あ、恋星からメールだ」
桃花 「何て言ってます?」
光彦 「『ちょっと用事があるから、先に始めててね』だってさ」
若葉 「あらあら……恋星ちゃんのために、
 プレゼントも張り切って作ってきたのに」
光彦 「ちょっとその箱、時計の音がしてないか!?
 こっちに置かないでくれ!!」





ポジティブワン 「おーっほっほっほっほっ!! 皆さん、お集まりのようですわね!!」
「もしゃっ、もしゃっ、ごっきゅごっきゅ……」
ポジティブワン 「今宵はわたくしのインビテイションメールを受け取っていただき、
 まことにありがとうございます!! さぁ、パーティを楽しみましょう!」
里桜 「ぽかーん……」
ユプシラ 「ふむふむ、これがこの国の食べ物か……
 なかなかに旨いではないか、侮れんな」
里桜 「あれ……? 場所間違えた!?
 あたし、パーティやるって光彦に呼び出されて、ここに来たんだけど」
ポジティブワン 「あらら。もしかしたら、字を間違えてしまったかもしれませんわ。
 『魔法少女ポジティブワン』と書くべきところを、
 手が滑って『藤見光彦』と……」
里桜 「さ、詐欺じゃないのよそれ!」
ユプシラ 「まぁ気にするでない。これだけ豪勢なパーティを開いてもらったなら、
 楽しんだ方が得だぞ。ほら、既に仮装に着替えている者もいるな」
れーこ 「寒いの? てっきり武者震いしてるのかと」
れーこ 「大体わたしって、ファソちゃんがいないと変身できないんじゃ
 なかったの!?
 ファソちゃん、なおたの家に置いてきちゃったんだけど!」
「作品ごとの法則なんて、意味はない。
 なぜなら今日のこの場所は、そういう場所だから」
れーこ 「え、どういう意味? っていうかこれって、何のパーティなの?」
ポジティブワン 「ふふふふふ……では説明しますわ!」
ポジティブワン 「実は本日、とあるカードゲームの新弾が発売となったのです!
 それが、『リセ Ver.WillPlus 1.0』ですわ!」



里桜 「バージョン、ウィルプラス? それって、あたしたちの?」
ポジティブワン 「そうですわ! もちろんわたくしたちだけでなく、
 他の作品のキャラクターもたくさん参戦ですわよ!」
里桜 ウィルプラスのブランド、PULLTOPとpropeller、ETERNAL、ensembleも……
 合わせて20作品から参戦!? す、すごい規模ね」
れーこ 「そ、そうだったんだ……
 うぅ、私って場違いだったりしない?
 パック剥いたらわたしがいて、露骨に舌打ちされちゃったりしない?」
「ちっ、ネガティブゼロかよ。クズレアじゃねーか」
れーこ 「が、がーん!! わたしってクズレアなの!?」
里桜 「そんなわけないから、落ち着いて……」
ユプシラ 「しかし、この場にいるメンバーの人選は、よく分からぬ。
 どういう理由で集められたのだ?」
ポジティブワン 「それはまぁ、いろいろな都合なのですわ。
 カード化された全員が集まったら、収拾がつきませんし」
里桜 「それは確かに、想像したくないかもね……」
ポジティブワン 「そこで今日は、『原作ゲームの原画家による書き下ろしイラスト入り』
 という共通点を持つ皆さんに、お集まりいただいたのですわ!
 作品の垣根を越えた交流、それがこのパーティの趣旨なのです!」
ユプシラ 「なになに……なるほど。
 『天空のユミナ』より"御木津藍""ユプシラ=ダナ=ミドルスタン"
 『ネガゼロ』より"ネガティブゼロ""ポジティブワン"
 『天の光は恋の星』より"白鳥里桜"が、公式イラストレーターにより
 カード化、か」
「ちっ……私の他に白鳥里桜がいるから、原作での人気ナンバーワン
 ヒロインが集められているのかと思ったのに……」
れーこ 「そ、それは、ほら……うちの投票だったら、九重さんの方が
 上だったし……」
ユプシラ 「むぅ、お前はさっきから下向きなことばかり言っているな。
 せっかくのパーティだ、胸を張っていた方がいいぞ!」
れーこ 「そ、そんなこと言われても!
 変えようと思ってもなかなか変えられないのよぅ!」
里桜 「それで、パーティの趣旨は分かったけど……
 あとは何をすればいいの? 食べて喋るだけ?」
ポジティブワン 「あ、肝心なことを言い忘れていました。
 そういえば、パーティのメインイベントでしたわね」
里桜 「いや、メインなら忘れちゃだめでしょ!」
ポジティブワン 「実は今回、『クリスマスイラストプロモーションカード』が当たる
 キャンペーンが、開催されているのですわ!」
ユプシラ 「おぉーっ! それは良い知らせだな!」
「クリスマス……これは私の時代が来る予感?」
れーこ 「べ、別になにも関係ないわよね?」
ポジティブワン 「こちらは、初回生産分のパックに封入されている
 『リセX'masカード』で、当たりが出たらもれなく
 プロモーションカードをプレゼントする、というものですわ」
ポジティブワン 「このカードも、公式イラストレーターによる書き下ろしイラスト……
 そしてわたくしたちが所属しているETERNALブランドからは、
 2人のキャラクターが、クリスマス仕様でカード化されるのです!!」
「クリスマス仕様? ……サンタコスチューム!?
 これはやはり、どう考えても私の時代……!」
れーこ 「いや、関係ないわよね!?」
ユプシラ 「大体貴様、前回のクリスマスでは1人だけトナカイだったではないか……」
里桜 「あ、あたしたちの中の誰かってこと?
 でも、あたしにサンタの衣装とかきっと似合わないし……」
ポジティブワン 「では、発表しますわ!! 栄光のサンタコスチュームを
 身につけるのは……」
「ドラムロール、どろろろろろろ……」
ポジティブワン 「……まずは1人目!!
 『天の光は恋の星』より、風紀委員っぽくないマスコット系少女!
 天迫恋星!!!」



里桜 「ええぇっ!!? 天迫さん!?」
恋星 「えへへー、サンタコスに選ばれちゃった!!」
里桜 「あ、天迫さんも、来てたんだ。
 確かに、天迫さんならそれ似合ってるかも」
恋星 「ありがと、りーり!
 がんばってプロモーションカードになるから、よろしくね!」
「そんな恋星の声を聞くうちに、里桜は自分の中で、
 嫉妬と羨望の炎がめらめらと燃え上がってくるのを感じていた」
里桜 「そんなこと思ってないわよ!!」
ポジティブワン 「そして、もう1人は……
 『輝光翼戦記 天空のユミナ』より、健気でまじめな剣人少女!
 ベリダディア=エフェメラントソード!!」



ベリダディア 「はいー、わたしなのです!
 プロモーションカードの撮影が楽しみです!」
「なぜ!? なぜ私を選ばない!!?」
ベリダディア 「えぇっ!? そんな憎悪の視線を、向けられても困るんです!」
ユプシラ 「ベリダディア、気にするな。
 青いのの言葉は雑音程度に聞き流せと、キララが言っていたのだ」
ポジティブワン 「この2人がサンタクロース衣装になって、
 クリスマスプロモーションカードセットに登場! ですわ!」
ベリダディア 「がんばって、当たりカードを手に入れてください!」
ポジティブワン 「もちろん他の皆も、人気イラストレーター様のイラストによって、
 魅力的なカードに仕上がっているのですわ!
 これはもう、コンプリートするしかない代物ですのよ!!」
れーこ 「えっと、今弾の内容は……キャラクターカードが201種類!
 他にパラレルキラカードや、イラストレーターのサインカードも
 あるらしいね」
ユプシラ 「むむっ、これは確かに魅力的なカードばかりだな。
 よし、マオに命じてボックス買い……いや、カートン買いを
 決行するぞ!!」
里桜 「あと、せっかくの機会だし、今まで知らなかったゲームを
 プレイしてみるのもいいかも! 素敵なキャラに巡り合えそうよ!」
ポジティブワン 「というわけで、皆さん! 
 わたくしたちが作品の垣根を越えて華麗に戦うカードゲーム、
 『リセ Ver.WillPlus 1.0』を、よろしくお願いします!」



「御木津藍の!! 御木津藍のパッケージイラストが目印ですッ!!!」
里桜 「あなたはもうちょっと自重しなさい!!」




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『天空のユミナ』

『ネガゼロ』

『天空のユミナFD』

『天の光は恋の星』


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