【光彦】
「羽、羽衣……?」
【桃花】
「止めようとしたら大変なことになった、です」
そこには、霰もない姿になった桃花があった。
18号の機械触手に手足や体を縛られ、身動きが取れなくなっている状況のようだ。
両足をグワンと開くような形で縛られていて、捲れ上がったスカートから可愛らしいパンツが覗いていた。
【桃花】
「先輩、助けてくれると嬉しいかもしれない、です」
【光彦】
「こ、こんな時でも結構余裕だな、お前」
【桃花】
「いつだって冷静さは忘れたくない、です」
【光彦】
「そ、そんな格好になってるんだから、少しは慌てろよ!」
【桃花】
「慌ててもいいことはない、です」
【光彦】
「だけどさ!」
俺は、目前に繰り広げられたピンク色の惨状に、既に冷静でいられなくなる寸前だというのに。
目のやり場に困り、思わず逸らす。
【光彦】
「し、仕方無いな……こいつはどうやれば止まるんだ?」
【桃花】
「背中に緊急停止ボタンがあるので、それを押してください」
【光彦】
「よしわかった、背中だな!」
俺はそれを聞き、すぐに駆けだす。
このまま桃花のあの惨状を見続けると、冷静さを失ってしまう自信があったからだ。
【桃花】
「ダメです先輩、そんな不用意に近付いたら――!」
え?
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