――喧噪の、只中。
大勢の歓声が絶え間なく続く、その只中に俺達はいる。
ライトに照らされたステージの上で、息を切らせ、気力を振り絞りながら――
――戦い続けていた。
己の主張を、力に。
剣の斬撃や、銃弾に変えて。
守るべき信念を、力に。
絶対の盾、強固な障壁に変えて。
それが俺達の、『論説戦』。
選挙を勝ち抜くために、避けて通れない戦いだ。

【弓那】
「私は、信じてる……みんなと一緒に、学園を変えるんだから!!」

【那由他】
「そのみんなに、学園を変える意志がないとしたら?
 あるいはあったとしても、力がなくては無意味でしてよ!」

【弓那】
「そんなことない!!
 みんなだって、学園を支える一員なんだから!」

【那由他】
「しかし現実は、ここにありますわ……わたくしは2年間、
 変わろうとしない学生達を守り続けてきたのですから!!」

【弓那】
「でも、変わるわ! あたしだって、立候補してから今までで、
 考え方が変わったんだから!」

【弓那】
「最初は留年したくないってだけだったけど、
 今は本気で会長になりたいって思ってる! 
 みんなが、支えてくれたから!!」