【那由他】
「何をボケっとしていますの? さぁ、わたくしたちも行きますわよ」

【歩武】
「あ、はい……」

【弓那】
「人数が減っちゃったから、新しい演説スタイルを考えないと!」

【雲母】
「歩武の穴は大きいが、埋められる人員がいるとも思えないからな。
 何かまったく別の案が必要かも知れん」

【藍】
「こうなったら、現状プロトタイプの歩武マークUを完成させて……」

【歩武】
「…………」

弓那達も俺達も、同じく会場を去っていく。
ただ、帰る方向は正反対だ。
まさかこんな展開になるなんて、思いもしなかった。
一体どこから、物語は本来のレールから外れてしまったんだろう?
疑問はあれど、答えは見つからず。
今はただ、悠然と歩く那由他の背中を追うしかない。